The Gifts of the Body

The Gifts of the Body

パブリッシャー
Harper Paperbacks
価格: ¥1,151

The Gifts of the Bodyのレビュー

体の贈り物
シンプルなのにすごく深かった。
淡々と語られる短編だけどそれぞれの物語が少しずつつながっていて
そのことが更に時間の残酷さとかけがえのない命の存在を引き立てていたと思う。
わたしも人に薦めたいと思った。
いろんな贈り物
タイトルからは物語の内容が想像できなかった。
最初短編集かと思って読み始めたが、各章毎に独立はしているけれどもひとつの物語だった。

作者は実際にHIVのホームケアワーカーとして働いていた経験からか、その方面の描写がリポートを読んでいるようにリアルに感じられた。かと言って、無味乾燥な印象ではなく、淡々としながらもじんわりと心の中に染み込んでくる。後半に来ると、主人公の思いが伝わってきて胸が熱くなる。

すべての章で何かしら贈り物が表現されている。贈り物にもいろいろあるものだなぁと思った。こんな風に思いやりひとつをとっても贈り物と考えると、毎日が少し楽しくなるような気がする。
生きていることが恵み、それが贈り物
 すべての短編が"The Gift of 〜"で統一されていて、題名はThe Gifts of the Body。

 一番好きな場面はThe Gift of Skin「肌の贈り物」の最後。もう動けなくなった患者の体を洗った後、シーツを体に掛けようとしたところ、「彼が片手で私を制した。『まだ掛けないで』と彼は言った。『空気がすごく気持ちいい。空気を肌に感じていたいんだ』」。

 しかし、世話をしていた人たちはすべて死んでいく。しかし、最後には体の贈り物を感じるし、別な贈り物も感じていたと思う。

 gift。どこか宗教的なものも感じて、キリスト教の意味を探ってしまう。ギリシア語ではχαριτοs(カリストス)。リデル・スコットの辞書で引いてみると、最初に出てくるのはthanksgiving, free giftだった。
文学作品というより、ノンフィクションに近い
著者は、終末期のエイズ患者を看護する仕事に従事していたということで、その経験がそのまま話になっている。であるから、小説というよりも、ノンフィクションに近いような感じである。英語は極めて平易だが、文章はあまりうまくない。例えば、No one wanted to hire someone to sleep over there so when Joe and Miss Kitty stayed over Connie didn't argue.のように、話し言葉をそのまま英文にしたようなところがあり、接続詞や句点の使い方が曖昧で、部分的に読みにくい。上記の文章は、普通ならこうなるはずだ。No one wanted to hire anyone to stay over there, so Connie didn't aruge when Joe and Miss Kitty stayed over there. 口語的表現も多く、平易とはいえ、あまり英語学習などには向いていない。あくまで、著者の、経験に根ざした、AIDS患者との繊細な心の交わりを味わうべき作品である。とは言え、Edを描いたThe Gift of Mobilityなどは、一編の作品としても十分いける。
シンプルなのに深い。
エイズ患者のホームケア・ワーカーが体験した話を、11編に渡って短編集風に綴ってあります。
事実のみが語られ、著者の感想や装飾は一切ありません。
それなのに、こんなに感動させられる、考えさせられる作品には滅多にお目にかかれないでしょう。

末期のエイズ患者のヘルプ、相当重い内容ではありますが、エイズという病気を他に置き換えてみても、病んでいる患者とヘルパーの話だと言うことを置いておいても、人として基本的なことを、単純なことを見直す機会を与えてくれる作品ではないでしょうか。

英語もそれほど難しくなく、文体も非常にシンプルなので、英語に自信のない方でも比較的読みやすいと思います。